三つ首白鳥亭

−カーリキリト−

海を背景にして

あとがき

れは平成16年4月から5月にかけて書き、18年の2月から3月にかけて入力した。

秋人の姉大谷夏輝登場。
短大1年生、秋人より背が高い。外交的でスポーツ好き。探検部所属の行動派。
無趣味で気力に欠けている弟とは対照的である。顔は似ているが性格は似ていない。
姉弟で顔が似ているというのはお互いいいことではないだろう。その点は少々気の毒である。

夏輝さんのする「夕刊の次に朝刊を開く」というのは自分にも心当たりがある。
1日の終わり帰宅して新聞を読もうとするとき、夕刊のほうが薄くて読みやすく、はじめに手にとるのに向いているのだ。
今自分は新聞を取っていない。なければないでなんとかやっていけるのには我ながら驚いた。

遠距離通学の悲劇
自分は学校は全て遠距離、大学は2時間かけて通うのが当たり前だった。
現在通勤時間はバスで30分。バス30分というのはかなり遠いのだが、それでも8時過ぎに家を出てもいい楽ちんさに感激している。もう遠距離には戻りたくない。
秋人が自転車通学15分なのもその憧れがこもっている。
作中夏輝さんの友人の話は半分実話。もっとも自身の友人か友人の友人かは忘れた。

中学生が人殺しする世の中だと夏輝さんに言わせていたら、小学生が人殺しをする世の中にいつのまにかなっていた。

「こいつは悪人だ」
きっぱり言うイーザーのまっすぐさと単純さがうらやましい。
と思っていたら、書いた当時のメモにもそう書いてあった。2年前からそう思っていたらしい。

めざましがうるさいと夏輝さんが言っていることについて。
黙って止めないだけ良心的な行動である。
自分はしょっちゅう妹のめざましを止めて、黙ってそのまま朝出発していた。自分の妹の遅刻の原因の一割は自分であるような気がする。
そのことで文句を言われたことはないが、止め方が分からないめざまし時計の電池を抜いて黙らせ続けていたのには苦情が来た。

小説内での高校の描写は自分の母校そのままだが、作中秋人が見ている時計は自分在学中にはなかった。後から付け加えられたものである。母校に遊びに行ってあそこにあってほしかったんだともだえた。そんなところ言っても誰も分からないだろうと思っているが、今回かなり具体的なことまで言ったのでモデル校がどこなのか分かる人には分かってしまう。