三つ首白鳥亭

−キョウとサキ−

おしまい

「おや、そこの君。迷ったのかね、まぎれ込んだのかね、ここに僕たち以外の人間が来るとは珍しい。

そこに座りたまえ。飲み物は自前だ、何でも取りたまえ。ここは図書館だ、書物を手に取り読みたまえ。どの本ももういらない価値のない今ではごみと大差ない本だがそれでもここが図書館であるから読みたまえ。

僕はキョウ、彼女はサキ。今から僕は話をする。耐えられるのなら聞きたまえ。サキに言わせると無意味で無価値で味気ない面白くない退屈で独善的で聞くことも話すことも無駄な話だ。捨てられたいらない図書館で全てにおいて人事であらゆることが自分と関係のない世界で生きている傍観者が話す、全てにおいて放棄していてあらゆることに見切りをつけ世界をあきらめた真諦者が聞く、くだらないどうでもいいくらいなんてことのない話だ。

それでも耐えられるのなら聞きたまえ」












あとがき

これは平成16年の夏から秋にかけて書いた
書いたきっかけは相方と喋っていた時、手持ち無沙汰だったので相方のメモ帳に適当に何か書いた事
そこから勝手に書き足していった

テーマは色々なエッセイや心理学の本から
また今回分かりやすさを放棄して回りくどくしたら相方から苦情が来た

勝手な本音を言うと、最後の話を書くつもりはなかった。適当に書いてそのまま止める。はじめからそのつもりだった
しかしもう書かない旨を相方に伝えると最後の話しを書くことをすすめられ、ついその気になって最後まで書いた